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はじめに

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このJavaアプレットでは、FM変調及び復調の基本についてビジュアルに体験できるようにしてみました。
特に、スペクトルに注目して色々パラメータを変えてみると、信号の持っている性質の背景が分かり面白いと思います。

アプレットを起動するにはアプレット画像をクリックして下さい。

※Javaアプレットを実行するためには、Javaランタイム環境(Java Runtime Environment バージョン 5.0以上)が必要です。
ダウンロードサイト:http://www.java.com/ja/download/download_the_latest.jsp

FM変調・復調の概要

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アナログ周波数変調は変調信号がアナログ信号であり、FM( Frequency Modulation)と呼んでいます。
FM変調はトランシーバやFMラジオ放送など多分野で使用されています。FM変調が使用される理由には色々ありますが主なものは以下のようです。

1、音質が良い
2、雑音に強い
3、ハードウェアコストが掛からない
4、実績があり通信が安定
5、S/Nを向上させるために適当な変調度を設定できる
6、フェージングなどの影響を受け難い
7、技術が確立されている
8、構成部品が入手し易い
9、その他

1番の音質に関しては、他の変調方式でも同じレベルにすることは可能で本質的なものではありません。単に電波法で許される帯域幅との関係で決まってきます。アナログ変調にしてもデジタル変調にしても、なぜ周波数変調の無線機が多いかと言うと、価格の割りに性能が良いというのが一番の理由でしょう。 

FM変調・復調の理論

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◆FM変調を式で表す
FM変調は、変調信号の振幅に応じて搬送波の周波数を変化させます。このため被変調波の周波数が連続的に変化し、搬送波周波数を中心として変調信号とは違うスペクトラムが発生するので、非線形変調となります。

周波数変調の被変調波Sfmは次式のようになります。

eq004.gif    Kfm:定数

FM変調は、搬送波位相Φcが変調信号m(t)の積分値に比例します。
式をみるとPM変調と同じ形をしており、FM変調は変調信号m(t)を積分してから位相変調したものです。


瞬時周波数の最大周波数偏移Δfは次のようになります。Δfはデビエーションと呼ぶことがあります。

eq014.gif

変調信号m(t)を単一の正弦波とすると

eq009.gif

従って
eq015.gif

これより
eq006.gif

搬送波の初期位相ΦcをΦc=0とすると、FM被変調波は

eq007.gif

ここで周波数変調指数mを定めると以下のようになります。

eq008.gif

周波数変調指数mがm≪1のとき狭帯域FMと言い、m≫1のとき広帯域FMといいます。広帯域FMは受信機の復調処理においてSNが良いのでFMラジオなどで採用されています。変調指数が大きいほど伝送のための帯域幅は広く必要です。
デビエーションが大きいほど復調に際してのS/Nは改善されますが、伝送に必要な帯域幅は広くなります。どちらを優先させるかはシステム要求に依ります。デビエーションを大きくすることでS/Nが改善されることをFM利得と呼びます。

◆FM被変調波のスペクトラム
FM変調の被変調波のスペクトラムは、搬送波Fcを中心にしてその上下に発生し、周波数は変調信号Fmの整数倍です。
スペクトラムは、変調信号周波数FmとデビエーションΔf、周波数変調指数mに関係して下図のようになります。(変調信号が単一の正弦波の場合)
スペクトラム間隔は変調信号周波数Fmで、無限の帯域に広がります。デビエーションΔfは、搬送波の中心周波数FcとFcから変調指数番目の周波数の差となります。

FM_01.gif

◆FM被変調波の所用帯域幅
FM被変調波の包絡線振幅は一定であると言われますが、全てのスペクトラム成分を集めた時の話で、実際には帯域制限によって振幅変動が現れます。復調する上で振幅変動が問題にならない所用帯域幅Bは、以下のようになります。Δfは最大周波数偏移、mは変調指数、Fmは変調信号周波数とします。

eq033.gif

変調信号の最大周波数が一定の場合は、変調指数mが大きくなると広い伝送帯域が必要になります。最大周波数偏移Δfが一定の場合は、変調指数mが大きくなるほどスペクトル間隔が狭くなります。


例えば、FMラジオの占有帯域幅Bは200kHzで最大周波数偏移Δfは75kHzなので、変調波の最大周波数Fm及び変調指数mは次のようになります。
Fm=B/2-Δf=200/2-75=25kHz
m=Δf/Fm=75/25=3
変調指数が1以上なので広帯域FMということになります。

◆FM被変調波のスペクトラムは第一種ベッセル関数
FM被変調波のスペクトラムは無秩序に見え理論的解析は困難ですが、スペクトラムは変調指数mに関連して第1種ベッセル関数Jn(m)で表されます。
eq037.gif

下図はFM被変調波のスペクトラムを求める計算アプレットです。FM変調指数を変化させるとスペクトラム形状が変化するのが分かります。FM変調復調アプレットでは搬送波と変調信号で変調した被変調波のスペクトラムをFFTで求め表示していますが、このスペクトラムと第1種ベッセル関数から求めたスペクトラムを比較すると、同じ形状であることが分かります。
本アプレットでは次数を10としていますが、スペクトラムは実際には無限に広がっています。実際に無線通信する場合は、電波法によって帯域幅が決まっているので帯域制限する必要があります。

bessel01.gif

画像クリック: FM被変調 波のスペクトラムプレット

FM変調・復調の実際

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◆変調
周波数変調信号を生成する方法には、直接FM方式と間接FM方式があります。
周波数変調は情報を周波数に載せているので、非線形増幅のパワーアンプを使うことができ、電力効率が良いのが特長です。

・直接FM方式
直接FM方式では、加えた電圧に比例した周波数を発生するVCO(電圧制御発振器)という回路に変調信号を入力します。VCOの信号入力部には可変容量ダイオードがあり、ここに変調信号電圧を加えると可変容量ダイオードの静電容量が変化し、発信周波数(搬送波周波数)が変化します。

・間接FM方式
複雑なのでここでは触れません。良書を参考にしてください。


◆復調
周波数変調信号を復調するには、周波数弁別法やPLL検波法などがあります。
本アプレットの復調方式は、被変調波を微分した後に包絡線検波を行っています。

FM変調は搬送波の周波数に情報を乗せるため、振幅方向のノイズに対しては強いと言われます。
FM検波器は周波数を検知し電圧に変換するものですが、振幅変動に対しても動作しエラーの原因となります。受信信号はフェージングや外来ノイズによって振幅方向に雑音が乗っており、検波器出力信号には歪や雑音が現れます。そのため検波器の前にリミッタ回路を入れ振幅変動を無くしています。 

FM変調アプレット

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FM変復調のjavaアプレットです。
使い方はjavaアプレットの右上’説明’ボタンを押して下さい。

FM_00.gif

画像クリック: FM変調・復調アプレット

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